+1 800番台(例:+1 844-123-456)からの電話に出てしまい、すぐ切ったものの、ネットで調べると「トールフリーは着信側に高額な通話料が発生する」という情報を見て、不安になっていませんか?
この記事では、トールフリーからの番号の通話料がどうなっているのか?情報セキュリティ資格をもつITのプロがわかりやすく解説します。
トールフリーからの電話に出ても「通話料は発生しません」
この結論の根拠として、主要な携帯電話各社の公開情報(利用規約)をもとにしています。
参考:SoftBankより
引用元:SoftBank
海外からかかってきた電話にでた場合、着信側に通話料はかかりますか?
日本国内で着信を受けた場合、着信側に通話料はかかりません。
海外で着信を受けた場合は着信料が発生します。着信料は国、エリアごとに異なります。
※docomoは公式サイト、また利用規約を確認しましたが「海外からの電話→国内着信は無料」という情報は読み取れませんでした。
消費者法で「承諾なしの通話料は無効」と定めている
ちょっと難しいことを書きます。
日本の「消費者契約法」では、消費者が料金の発生を承諾していない場合、"請求は無効である"と、明確に定められています。
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
消費者契約法 (shugiin.go.jp) 2024年10月現在
つまり、消費者が”誤認によって契約を締結(意図しないトールフリー着信)”した場合、”その契約(通話料の請求)は取り消し可能であり、無効にできる”という理解でOKです。
トールフリーから電話で通話料が発生する可能性
電話を"転送設定している"場合、通話料が発生する可能性があります。
別の電話番号に転送の設定をしているケース、つまり転送時に「発信」しているため通話料が発生します。
なぜ「トールフリーは着信側課金」という言説が飛び交っているのか?
トールフリーの導入を検討している企業向けのうたい文句、"着信課金" だけを断片的に捉え、よく調べもせずに情報発信しているコンテンツ、メディアがネット検索の上位を占めているからです。
着信側からすれば、相手がどのような電話のサービスを利用しているかなどまったく関係ないことです。
つまり、上述した消費者法で定められている通り「契約として成立しません」ので、仮に通話料を請求されたとしても、支払う義務はありません。
トールフリーの電話に出たことで通話料を請求されたら?
身に覚えのない電話料金の請求が発生した場合、契約している電話会社、または「消費者ホットライン」に相談してみてください。
消費者ホットライン | 消費者庁 (caa.go.jp)
- 電話番号:「188」(いやや)
- 受付時間:年末年始を除き、原則毎日利用可能
- 相談料:無料(電話代のみかかります)
さいごに:心当たりのない電話番号からの着信は無視すること
トールフリーに限らず、+1から始まる番号からの詐欺電話が増えています。
そのため、心当たりのない着信は「すべて無視」でよいでしょう。大事な用件であれば、また電話してくれるはずです。
もし、身に覚えのない通話料を請求されるようであれば、契約している電話会社または、消費者ホットライン宛にご相談することをおすすめします。