「+1 800」「+1 888」などの国際電話トールフリー番号から着信があり、思わず出てしまって『通話料が請求されるのでは?』と不安になっていませんか?
結論としては、日本国内でトールフリーからの着信を受けても通話料はかかりません。
この記事では、ネットでよく見かける「トールフリーは着信課金」の間違った情報について、情報セキュリティ資格をもつITのプロがわかりやすく解説します。
トールフリー番号とは?国際電話の仕組み
トールフリー番号とは、電話をかける側が通話料を気にせず電話できる番号です。
- アメリカ・カナダでは「+1 800」「+1 888」などが代表例
- 日本の「0120」「0800」と同じ仕組み
- 着信側(あなた)は通話料ゼロ
これらは、企業の問い合わせ窓口や予約センターなどでよく使われる番号です。
国際電話トールフリー番号「電話に出ても料金発生しない」3つの理由
- トールフリー着信課金の仕組み
- 各キャリア「国内着信は無料」
- 消費者契約法で保護されている
①トールフリー着信課金の仕組み
「トールフリー番号からの着信に出ると、自分に通話料がかかるのでは?」という不安を感じる方がいますが、実際の仕組みは次の通りです
①トールフリー番号で発信
│ ↑ トールフリー契約者
│ ※発信時に通話料が発生
▼
②トールフリー(サービス提供元)
│ ↑ 米国・カナダの通信事業者
▼
③あなた(日本国内で着信)
└─ 着信を受けるだけ、通話料ゼロ
トールフリーは、上図①と②で契約して「お客さんが無料で電話できる電話番号」を用意する仕組みです。
業界用語で「着信課金」という言葉が使われるため、そこだけを断片的にとらえ”電話を受けた人が通話料を払う”といった、誤った解釈で解説しているケースをよく見かけます。
②主要キャリアは「日本国内での海外着信は無料」を示している
SoftBankと楽天モバイルは、日本国内での海外着信は無料と公式に明記しています。
日本国内で着信を受けた場合、着信側に通話料はかかりません。
出典:ソフトバンク
着信料金 日本で海外の電話番号から電話をうける 無料
出典:楽天モバイル|国際電話ページ
※auおよびdocomoは公式サイト、また利用規約を確認しましたが「日本国内着信は無料」という情報は見つかりませんでしたので、詳しく知りたい方は、直接サポートに問い合わせることをおすすめします。
③消費者法で「承諾なしの通話料は無効」と定めている
日本の「消費者契約法」では、消費者が料金の発生を承諾していない場合、"請求は無効である"と、明確に定められています。
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
消費者契約法 (shugiin.go.jp) 2024年10月現在
つまり、意図しない着信によって料金を請求されても、「支払う義務はない」という理解でよいでしょう。
トールフリーからの着信で通話料が発生するパターン
電話を"転送設定している"場合、通話料が発生する可能性があります。
別の電話番号に転送の設定をしているケース、つまり転送時に「発信」しているため通話料が発生します。
トールフリーの電話に出たことで通話料を請求されたら?
身に覚えのない電話料金の請求が発生した場合、契約している電話会社、または「消費者ホットライン」に相談してみてください。
消費者ホットライン | 消費者庁 (caa.go.jp)
- 電話番号:「188」(いやや)
- 受付時間:年末年始を除き、原則毎日利用可能
- 相談料:無料(電話代のみかかります)
さいごに:心当たりのない電話番号からの着信は無視すること
トールフリーに限らず、+1から始まる番号からの詐欺電話が増えています。
そのため、心当たりのない着信は「すべて無視」でよいでしょう。大事な用件であれば、また電話してくれるはずです。
もし、身に覚えのない通話料を請求されるようであれば、契約している電話会社または、消費者ホットライン宛にご相談することをおすすめします。