Flash Playerのサポートが2020年12月31日で終了します。本記事では、Flashの歴史の振り返りから、バトンタッチする技術についてで解説していきます。
Flash Playerとは?
あなたは「Flash Player」を知っていますか?
ウェブサイトの動画やゲーム、企業サイトの「動くコンテンツ」として配信された情報を再生する技術です。
Flash Playerの全盛期
2000年当初、ようやくインターネットが一般的に普及するようになってきた時代です。
企業が文字だけでは表現できない想いをユーザーへ届けるため、アニメーションな動くコンテンツが開発されました。
動画コンテンツの大半はAdobe社のFlashで開発され、再生するためブラウザーにFlash Playerプラグインが必須でした。
その創造性たるや、破壊的革新でした。
そりゃ、いままで無機質な文字のみ何の面白みもないサイトに、動くコンテンツが追加できるんですから。
当初Youtubeやニコニコ動画もFlash動画だったんですよ?
動画ウェブサイト黎明期です。
一気にFlash普及が進んだのは、ごく自然のことでした。
なぜFlash Playerは終わりを迎えることになったのか?
2007年にApple CEOのSteve Jobs氏が、Flashを拒否したのがきっかけと言われています。
- 価格や機能強化がAdobe社のさじ加減次第
- 信頼性、セキュリティ、パフォーマンスが低い
- 動画再生の消費電力が大きすぎる
- スマホのタッチ操作に不向き
- Adobeの不具合対応が超遅い
「Flash 脆弱性」と検索してみてください。
セキュリティリスクの情報が山ほど引っかかるはずです。
Flash終了後はどうなるの?
「HTML5」が主流となり、コンテンツ制作サイドが順次Flash Playerコンテンツを置き換えていくそうです。
HTML5はブラウザー組み込み型です。
Flash Playerのようなプラグインがなくても動画や音声が再生できるよう作られているため、利用するコンピュータやデバイスに依存しないことが大きな特徴です。
よって、コンテンツ利用者側は「特に何か対応しなければ動画は再生できない」ということは基本ありません。
※ただし、同上Adobe社の公式見解では「Flash Playerのアンインストール」を提唱しています。
不安な方は、Flash Playerサポート終了情報ページ ご一読ください。
さいごに
Flash Player最終リリースノートの一部抜粋です。
過去20年間に素晴らしいFlash Playerコンテンツを使用し、作成したすべてのお客様と開発者に感謝したいと思います。Flash は、アニメーション、インタラクティブ性、オーディオ、ビデオを通して Web コンテンツを進化させる上で重要な役割を果たしたことを誇りに思っています。私たちは、デジタル体験の次の時代をリードするのを助けることを楽しみにしています。
出所: Adobe Flash Playerリリースノート2020年12月8日
ウェブ動画コンテンツの先駆け、牽引してきたFlash Playerの終了は非常に感慨深いものがあります。
この場を借りて、長年お世話になったFlash Playerにお礼を言いたいと思います。
ありがとうFlash Player、そしてさようなら。