突然、iPhoneの画面に「新しいiCloud利用規約」が表示され、同意を求められて戸惑っていませんか?
- なぜ同意を求めるの?
- 同意することは何?
- 同意しないと、どうなる?
- 同意すると”お金は掛かる”?
iCloudの利用規約は、なかなかの長文です。そのため、すべてをじっくり読むのは大変で、「正直、そこまでしっかり把握するのは難しい…」と思う方が大半のはず。
そこで今回、”新しいiCloud利用規約の同意に関するよくある疑問”について、わかりやすく解説します。
特に「デジタルがちょっと苦手…」という方は、この記事を読めれば「同意する・しない」を判断できるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
新しいiCloud利用規約「同意」を求める理由
新しいiOSバージョンのリリースに伴い、iCloudの設計やルール、データの取り扱い方が変わりました。そのため、
情報の取り扱い方、
”ちょっと変わりました”
同意してくれませんか?
包み隠さず公開するので、よく読んで理解してほしいという目的です。
iCloud(アイクラウド)とは?簡単におさらい
いまさら聞けない「iCloud(アイクラウド)」とは?おさらいです。
iCloudは、Appleのオンラインサービスで、写真や連絡先、アプリのデータをインターネット上に保存し、使うiPhoneが変わっても同じデータやアプリを扱うことができます。
また、家族とデータを共有したり「ファミリー共有」「探す」など、親が子供のiPhoneを管理する目的でも使われている便利なサービスです。
新しいiCloud利用規約に同意しないと、どうなる?
iPhoneを使い続ける以上、同意するしかない(ほぼ強制)という理解でよいでしょう。
iCloud利用規約に同意しないと、使えない機能やサービスです。
- iCloudでサインインする
- iCloudメール
- iCloudバックアップ
- iCloudフォトライブラリ
- iCloudドライブ
- iCloudキーチェーン
- データ同期(Safari、メモなど)
- 「探す」機能
- iCloud+サービス
- ファミリー共有
つまり、「iCloudでサインインやメールを使っている」また「子供のiPhoneをスクリーンタイムで制限している」方は、”同意する”しかありません。
新しいiCloud利用規約に同意すると、お金は掛かるの?
「新しいiCloud利用規約」に同意するだけで、お金が掛かることはありません。iCloudの基本的なサービスは無料で提供されています。
新しいiCloud利用規約|従来からの変更2点
以前の「新しいiCloud利用規約(最終改訂日:2023年9月18日)」から、何が変わったのでしょう?調べてみたところ、主な変更点は2点でした。
変更点1: Apple IDが「Apple Account」の名称へ変更
今後、Appleのすべてのサービスで「Apple Account」の名称に統一するようです。
なお、この名称変更によりiPhoneの設定をやり直すなどの手間は生じません。
変更点2:Appleの契約主体が一部の国で変更
2024年10月26日以降、特定の国々でAppleの契約主体が変更されることが記されていました。ただし、日本においては変更なしです。
106-6140東京都港区六本木6丁目10番1号 六本木ヒルズに所在するiTunes株式会社(日本に居住するユーザーの場合)
引用元:新しいiCloud利用規約
いずれにせよ、「なんのこっちゃ」という方が多いと思いますので、この変更点は気にしなくてもよいでしょう。
新しいiCloud利用規約で同意する5つのこと
iCloud利用規約から、「同意することは何?」ポイントを列挙してみました。
1. 年齢制限
13歳以上の個人のみOK!13歳未満の子どもは、親または法廷代理人の同意を得ること
Appleとしては、年齢制限のルールを守っていることを示してほしいため、同意を求めています。
2. デバイスとアカウント
iCloudを使うデバイスとネット環境を準備してね。Apple Accountの作成と維持も忘れないこと
iCloudを使える環境を覚えてほしいため、同意を求めています。
3. 違法行為や不正行為の禁止
悪用目的ではiCloudを使わないでください!
違法コピーや著作権などを侵害する使い方はダメ!ということですね。きちんとルールを守ることを約束してほしいため、同意を求めています。
4. サービスの変更
iCloudの仕組みを「予告なく」変更するかもしれません
例えば、iCloudに重大なバグがあり、犯罪やテロに悪用される恐れがあるとします。
Appleはすぐに対応しなければなりませんが、このとき「変更があるかも」と伝える暇がないかもしれません。
このような有事の際は、「仕様変更の通知が間に合わないかもしれない」ことを理解してもらうために、同意を求めています。
5. プライバシー情報を収集されるかもしれない
iCloudのサービス向上のために、データを収集することがあります
Appleのプライバシーポリシーには、「個人を特定しないデータにして管理する」と記されており、情報の取り扱いに理解してもらうために同意を求めています。
なお、Appleに必要以上にプライバシー情報を収集されたくない場合、[解析と改善]をすべてオフに設定することをおすすめします。
新しいiCloud利用規約に関連する8つの機能
何となく同意する内容がわかったところで、「新しいiCloud利用規約」に関連する機能と設定方法について、わかりやすく解説します。
1. データの自動保存
写真や連絡先、アプリなど、自動的にiCloudに保存するよう設定しておけば、iPhoneが故障して使えない場面でも、別のiPhoneでによるデータすることができます。
2. デジタル遺産プログラム
いわゆる、デジタル上の遺言(ゆいごん)機能です。万が一故人となった場合、所有していたiPhoneのデータにアクセスできる人をあらかじめ設定しておくことができます。
3. 高度なデータ保護
iCloudのデータやアプリなどを、iCloud内のデータやアプリをより安全に守るための仕組みです。
この機能を利用するには、「2要素認証」を設定し、「データの復元方法」を理解しておく必要があります。
4. セキュリティキーの機能
Apple Accountへのサインイン時に、"物理的なセキュリティキーを指定” することができます。
\物理的なセキュリティキーとは?こちら/
この機能は、iPhoneという金庫を開けるためのカギの役割です。Apple Accountにセキュリティキーを設定することで、よりガッチり守ることができます。
5. 探す
iPhoneの場所がわかる「探す」の機能ですが、ネットに接続していない "オフラインの状態" でも見つけられることができます。
6. アカウント復旧の機能
Apple Accountにサインインできないトラブルにそなえた復旧方法の設定です。他のiPhoneや、復旧キーを設定しておくことができます。
7. 位置情報サービス
位置情報サービスは、iPhoneが現在の位置を把握するための設定です。これにより、「iPhoneを探す」機能などが使えますが、位置が特定される可能性があります。
プライバシーを守るために、設定から位置情報サービスのオン・オフが可能です。
8. 「iCloud」+の機能
iOS15から追加された、iCloudのサブスクリプションを契約している方向けの機能です。
- プライベートリレー
- メールを非公開
- HomeKitセキュアビデオ(機能拡張)
簡単に、ダイジェストで機能の説明をしていきます。
1. プライベートリレー
Safariを使うときに生じる、デジタル上のストーカー行為を防ぐ仕組みです。
位置情報や訪れたWebサイトなど、気づかれないように情報収集する”トラッカー"行為をブロックしてくれます。
ただしプライベートリレーは、アプリのストーカー行為までは防いでくれません。
iPhoneを使うあらゆる場面で「自分の位置情報を知られたくない!」という方は、”VPNアプリ”で防ぐしかないでしょう。
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2. メールを非公開
非通知で電話をかける「184」のようなメールの機能です。
メインのiCloudメールアドレスを「隠したまま」メールを送る、受け取ることができる仕組みです。
身バレしない、使い捨てのメールアドレスがほしい方向けの機能です。
3. HomeKitセキュアビデオ
Apple版の「防犯カメラ」の機能です。
iPhoneの 「ホーム」アプリを使い、設置したHomeKit対応のカメラが人物、動物、車、荷物の配達を検知したときに収録したビデオを見ることができます。
部屋: カメラを家の中の部屋に設置したり、玄関ポーチや裏庭など、屋外の場所を部屋として作成したりできます。
引用元:iPhoneのホームで防犯カメラを設定する - Apple
HomeKitセキュアビデオは、次のようなシーンで活躍してくれます。
- "置き配"の紛失、盗難の対策
- Uber Eats配達員トラブル防止
例えばiPhoneに「Siri、玄関を見せて」と指示すれば、リアルタイムで玄関前をチェックすることもできます。
また録画データはiCloudに保存されていくので、有事の際の ”動かぬ証拠”として示すことができますね。
なお、"野外に設置できる" HomeKit対応カメラは【超希少・品薄】ですので、ご検討はお早めに。
新しいiCloud利用規約「同意できない」場合の対処法
iPhoneで「同意する」をタップしても、エラーが発生してしまう場合の対処法です。
Wi-Fiを「オフ」にしてみる
Wi-Fiに接続した状態だと、同意できずエラーが発生する情報があります。Wi-Fiをオフにして、再度「同意する」をタップしてみてください。
スクリーンタイムのアカウント変更「許可する」
スクリーンタイムで「アカウント変更:許可しない」設定していると、「新しいiCloud利用規約」タップできません。
以下、一時的にスクリーンタイムで「アカウント変更:許可する」を設定する流れです。
- [設定]アプリを開く
- [ファミリー]から子供を選択
- [スクリーンタイム]
- [コンテンツとプライバシーの制限]
- [アカウント:許可する]へ変更
再度、同意できるかを試みてください。同意できた後、上記⑤の設定をもとに戻すことをお忘れなく。
まとめ
「新しいiCloud利用規約」の内容から、同意を求める理由の解説でした。
主な変更点:Apple IDが「Apple Account」の名称へ変更
iOS17から18への大型アップデートに伴い、iCloudの使い方やルールを見直したため、Appleは改めて「同意」を求めています。
iPhoneを使い続ける以上、「同意」せざるを得ませんので、"何に対して同意するのか?"この記事の内容を参考にしてみてください。