コロナウイルス感染拡大に伴うテレワーク制度の導入、在宅テレワーク業務の片手間にネットで私的な調べもの…
監督者の目がなく、何とも気楽でよいものですよね。
ですが会社には、「業務システム~PCの使用履歴」までをチェックできる ”システム管理者” が存在します。
そしてシステム管理者は、会社貸与のPCで行う行為、
ほぼすべて、把握できます。
今回この事実について、企業内のシステム管理を担う筆者が、「システム管理の裏側」わかりやすくぶっちゃけていきます。
この記事で説明すること
- システム管理者が監視していること
- 個人情報でバレる範囲
- Microsoft365監視のスゴい機能
- 会社PCを使う上での注意点
まずは知っておきたい、「在宅テレワーク業務で、システム管理者の目をかいくぐる方法」から説明していきます。
在宅テレワークでやることは「基本ぜんぶバレます」
結論として、会社貸与のPCを使うことで、
システム管理者にバレないよう
PCを使う方法はありません。
なぜなら経営側としては、会社や従業員を守るための"統制管理" つまり、やっている業務の把握・コントロールしなければならないからです。
統制コントールのため、監査の仕組みをシステムで実現することこそ、システム管理者のお仕事だったりします。
PC無操作で「離席」状態にならない方法
Microsoft 365(旧Office 365)使っている企業であれば、「プレゼンス情報をごまかす」方法ならありますよ。
プレゼンス情報とは?
OutlookやTeamsの画面上部、プロファイル横にある「在席状態」をカラーで示すアイコンです。
- みどり:在席中
- きいろ:退席中
- あか:応答不可
PC無操作が続くと「あか:応答不可」になってしまいます。
「きいろ:退席中」でも、サボっていることはバレてしまいますね。
これを防ぐには、PCのスリープを解除するだけでは足りず、OutlookやTeams内を "定期的に自動クリックする" ことで「みどり:在席中」維持でき、在席状態をアピールすることができますよ。
あくまで「Microsoft 365のプレゼンス情報で在席チェックしている企業」向けですので、ご参考まで。
※サボる・サボらないは自己責任でお願いしますね。
次に、在宅テレワークのPC環境別、システム管理者はどのようにして監視しているのか?説明していきます。
在宅テレワークで仕事をするPC環境2パターン
在宅テレワークを行う「方法」です。
- 会社貸与PCで業務する
- 私物のPCで業務する
方法別に、管理者にバレる範囲が異なります。
会社貸与PCで在宅テレワーク「ほぼすべてバレる」
システム管理者にバレること
- PC使用しているおおよその住所
- PC操作した履歴
- ブラウザの閲覧履歴
- 業務システムを使った履歴
つまり、PCを使うこと全般「ほぼ筒抜け・お見通し状態」です。
この「すべてバレてしまう理由」として、企業で使うPCには、PCのあらゆる履歴を監視する次のようなツールがインストールされているからです。
- ウイルス対策ソフト
- PC監査ツール
有名なところで、「Microsoft Intune(マイクロソフト インチューン)」や、「LANSCOPE(ランスコープ)」という、PC内部をパトロールするツールです。
昨今だと、ウイルス対策ソフトにも同じような機能が備わっていたりします。
この「ほぼバレている」事実から、会社貸与PCを使う際に気をつけること3つほど説明していきます。
許可されていないWebサイトの閲覧、投稿
InstagramやTwitterの閲覧から、SNSへの投稿、またはムフフなサイトを徘徊するような行為...
ぜんぶバレています。
気をつけましょうね。
やましい何かがバレるタイミングとしては、「セキュリティ事故が発生したタイミング」と思って頂いた方がよいでしょう。
いくらシステム管理者でも、手前都合でSNSやムフフなサイトを「業務とは無関係」と切り分け、アクセス制限するのは越権(えっけん)行為、つまり行き過ぎた行為です。
Webサイトへの個人情報の入力
インターネット通信のログ監視は当然やっていると想定できます。
そのため、個人情報の入力(以下例)は控えた方がよいでしょう。
- クレジットカード情報
- 個人で使用しているパスワード入力
ただ、いくらシステム管理であっても、
ブラウザー入力・IDやパスワードまで取得してはいけません。
会社の情報管理規程にもよりけりですが、これではハッカーと同じですので、たとえシステム管理者であってもNGです。
特に私物PCの場合は、情報の所有権は個人に帰属します。よって、
本人の許可なしでの情報取得は、絶対にしてはならないことです。
もしあなたが「認識していない・許容していない」範囲で情報収集されているようであれば、どのような理由があろうと違法です。
即刻、収集した個人情報の削除を会社に要求した方がよいでしょう。
ECサイトでの私的なお買い物
もし楽天市場で私用の買い物をしたら、下記がバレます。
- 購入した商品
- 場所、時間、端末の情報
自らの個人情報を収集されるような行為、業務中は控えることをおすすめします。
私物PCで在宅テレワーク「一部バレる」
システム管理者にバレること
- PC使用しているおおよその住所
- 業務システムを使った履歴
私物PCに、PC監視ツールをインストールしていない前提です。
もし会社の指示で監視ツールをインストールしている場合、会社貸与PCと同じく「すべてシステム管理者にバレている」このように認識しておいた方がよいでしょう。
IPアドレスは「個人情報ではない」
【IPアドレスとは】ネットワーク上の住所のことを示し、おおよそですが「市区町村レベルの位置情報を知る」こともできます。
じゃあ、IPアドレスって「個人情報」じゃないの?
自宅の住所がバレるのはイヤだなぁ…
IPアドレスは個人情報として定義されていませんよ
IPアドレスから判別できるのは、「契約している"インターネットプロバイダ”の基地局の住所」のため、個人情報に相当しないとされています。
ですが、IPアドレスを取り扱うのが「システム管理者」の場合、"IPアドレスと社員情報をリンクさせ、住所まで特定できる情報で管理しているかも" しれませんね。
つまり、システム管理者は「IPアドレスも”個人情報の部類である”」心掛け、第三者に漏らさないよう管理している実態があります。
Microsoft 365に記録される情報
会社で Microsoft365(旧Office365) を使っている場合、システム履歴にどのような情報が記録されるのか?以下例です。
項目名 | アクセスログの例 |
利用デバイス | デバイス名:LAPTOP-**** |
OSバージョン | Windows 10.0.*****.0 |
ブラウザー | Chrome、Edgeといったブラウザー名 |
アクティビティ | Update device(デバイスで何を行ったのか) |
利用場所 | IPアドレスから都道府県 |
IPアドレス | ***.***.***.*** |
利用情報 | ユーザー名 |
アプリケーション | SharePoint、Outlook、Teams |
認証 | 多要素、単一要素 |
ご覧の通り、各種バージョンまで取得できてしまいます。
そのため、使用している環境・バージョンにセキュリティリスクがある場合、システム管理者から何かしらの指摘を受けるケースもあります。
Microsoft 365を利用する注意点
例えば、次のようなことを会社に内緒でやったとします。
- 会社未許可でデータを外部へ持ち出す行為
- SharePoint、OneDriveで外部共有する
- 私的なデータの会社持ち込む行為
- 個人データを会社メール宛に送信
システム管理者は、すべてお見通しですよ。
Microsoft 365全体管理者は、サクッとシステム監査ログ調べられますので。
またデータの私的な出し入れだけではなく、内部不正対策とした「電子情報開示」という超強力な監査機能が存在します。
「電子情報開示」どう強力なのか?というと、
メール文章やTeamsのチャットまで、
すべて丸裸にされてしまいます。
非常に強力な監査の機能なので、企業内であれば、
- インシデントが発生時に、
- 経営サイトが指示して、
- 許可のち使用する
このような制限を設けるのが通常でしょう。
ですが中小企業、非上場の企業であれば、電子情報開示を使うための統制まで手が回らない事実もあります。
そのためシステム管理者には、次のような素養が求められます。
- システムを私物化しない
- 当事者意識がある
- 責任感を持つ
スキルや技術力がすべてではなく、倫理・道徳観が必要ということですね。
まとめ
在宅テレワーク業務でバレること、システム管理者のぶっちゃけ話でした。
システム管理者であれば、
PC履歴からの利用実態、
つまびらやかに示せる。
このように認識しておいた方がよいでしょう。
システム監視されている範囲を理解して、私的なことに会社貸与PCを使わないことをおすすめします。