iOS17のSafariの設定に、「プライベート検索エンジン」という機能が追加されました。
Safariの検索エンジンをカスタマイズできる設定のようですが、なぜ変更できるようにしたのでしょう?
Apple公式サイトでは理由の説明が不十分でしたので、情報セキュリティ資格を有するIT管理プロがわかりやすく解説します。
まず、Safariの「プライベートブラウズ」モードから、ざっくり説明していきます。
Safari「プライベートブラウズ」とは?
Safariに閲覧したWebサイトの履歴や、入力した内容を残さないための機能です。
「自分のプライバシーを隠し、安全にネットを渡り歩くための仕組み」という理解でOKでしょう。
街中で歩いているケースで例えてみます。
- 通常のブラウズ:帽子やサングラスなどを着用していない
- プライベートブラウズ:帽子やサングラスなどで隠している
つまり、「尾行されにくい」というのがプライベートブラウズの特徴です。
Safari「プライベート検索エンジン」が追加された理由
検索エンジンに「行き先を知られないようにする」ための対策です。
例えば、「極秘で会いたい人と待ち合わせする」とします。
どれだけプライベートブラウズで隠しても、待ち合わせの場所を他人(検索エンジン)に聞いてしまったら、隠している意味ありません。
しかもその他人が、「○○人に聞いた!」街角アンケートを行っている人であれば、これから向かう待ち合わせ場所もカウントしまいます。
中には、待ち合わせの周辺にお店を持っている人で「激安!お得」と押し売りしてくるかもいるかもしれません。
このような、プライベートブラウズでも防げない"プライバシーを脅かす行為"から、自分を守るための仕組みが「プライベート検索エンジン」です。
Safari「プライベート検索エンジン」の目的として
ネットで訪れる場所を調べるときの、知られてもいい人を自分で選べるようになりました。
行き先を完全に隠すことはできませんので、「知られてもいい人」というのがポイントです。
例えば検索エンジンが「Google」の場合、プライベートブラウズでも「どの場所から、何を検索したのか?」Googleのサーバーに保存され、匿名化こそすれど、Googleの営利目的で利活用されます。
一方、検索エンジン「DuckDuckGo」のプライバシーポリシーでは、以下のことが明記されています。
- 検索履歴、Cookie、IPアドレス、デバイスIDなど、個人を特定できる情報は収集しない
- 検索履歴やその他の個人情報を使用した広告を表示しない
つまり、よりプライバシー保護を重視したい方であれば、「DuckDuckGo」をプライベートブラウズの検索エンジンとして選ぶことができるようになった、ということですね。
Safari「プライベート検索エンジン」は選択の自由
iOS17のSafariに「プライベート検索エンジン」が追加された理由の説明でした。
あくまでも、「自身のプライバシー情報の取り扱うための、選択肢がふえた」ということであり、プライバシー情報の収集を「完全にシャットアウトできない」ということは、知っておきましょう。