新しいiOSがリリースされると、「アップデートによる不具合に気をつけて!」「アップデートしないとセキュリティがヤバい」といった、相反するような情報が飛び交います。
こうなると、「iPhoneのiOSって、アップデートした方がいいの?しない方がいい?」迷いますよね?
そこで今回、iOSをアップデート「する・しない」を決める基準について、情報セキュリティ資格を有するIT管理プロの実践知を「デジタルちょっと苦手…」といった方向けに、わかりやすい言葉で説明していきます。
最後までお読みいただければ、iOSをアップデート「する・しない」ご自身で判断できるレベルのITリテラシーが身につきますよ。
iPhoe iOSアップデート「する・しない」を決める基準
アップデートした方がよい方
- 追加されたiOSの機能を使いたい
- アップデートしないことで支障をきたしている
➡ iOSアップデート前のバックアップ推奨!
アップデートせず様子を見た方がいい方
- いま使っている状態で困っていない
- iOSアップデート起因での不具合が心配
➡ 新しいiOSリリースで発覚したセキュリティ不具合の対策を!
それぞれ後述していきます。
まずは、IT管理プロはどうするのか?以下説明していきます。
iPhoneのiOSは「すぐにアップデートしない」
まず結論から、新しいiOSがリリースされても、すぐアップデートせずにしばらく様子を見ます。
企業でITを管理する立場であれば、99%の方はこう答えるでしょう
なぜなら、情報セキュリティの要素には「"信頼性"が大事だよね」という考え方があるからです。
【信頼性】とは?
システムが使いたいときに使えること。簡単に言えば、iPhoneなどの iOSデバイスを使って「やりたいときに・やりたいことができる」状態をキープすることを指す。
なぜ信頼性の話をするのか?ですが、Appleの公開情報「iOS 16 のアップデートについて」を参考に、iOSのシステム品質に言及します。
iOS16以降の不具合をふりかえる
iOS16以降のリリースで発生した、影響度が大きそうな不具合の一例です。
iOS 16.1.2:ワイヤレス通信事業者との互換性の改善(Wi-Fiが不安定、すぐ切れる)
iOS 16.4:お子様からの承認と購入のリクエストが親/保護者のデバイスに表示されないことがある問題を修正
引用元:iOS 16 のアップデートについて - Apple サポート (日本)
つまり、iOS16.1.1アップデートしたことでWi-Fiの不具合に見舞われたら、iOS16.1.2がリリースされるまでの約1ヶ月間、ずっとWi-Fiの不具合に悩むことになってしまうわけですね。
また、iOS16.4.1がリリースされたタイミングでは、決済系アプリが使えない口コミが多くあったことを覚えています。
- docomoのd払いアプリか使えない
- 住信SBIネット銀行アプリで取引ができない
あなたも「iOSアップデートしたら、今まで通りにできなくなった!」なんて、一度は経験してますよね?
そのためIT管理プロは、「やりたいときに・やりたいことができる」iPhoneの状態をキープすることを何よりも優先する考えであり、リリースされたばかりのiOSにはアップデートしない方針です。
iPhone iOSアップデート「しない」ならセキュリティはどうする?
Appleが新しいiOSをリリースする、2つ目の理由ですね。
- 新しいセキュリティの適用や修正
iOSをアップデートしないことによる、安全面にリスクがあるのは確かです。
だからこそ当サイトでは、新しいiOSリリースで発覚したヤバいセキュリティ不具合の傾向から、アップデートせずに様子を見るための対策までを、具体的にお伝えしているわけです。
- メールやSMSのリンク→詐欺サイトに注意
- 信頼度の低いアプリを使わない
どのタイミングでiOSアップデートすればよい?
「じゃあ、iOSは未来永劫アップデートしないの?」と言われるとそんな事はなく、次のような場合には素直にiOSをアップデートします。
追加されたiOSの機能を使いたいとき
iOS16以降で追加された、新しい機能の一例です。
- カスタマイズ可能なロック画面
- リマインダーアプリでメモの書式設定が可能
- 生体認証を利用したパスキー
- Appleメディアプレイヤーでの再生速度調整が可能に
- iPadをホームハブとして設定できる
個人的には、特に使いたい機能はありません(笑)
ただ、iPhoneでの「パスワード」管理は便利になりましたね。2段階の認証コードや、メモが追加できるようになりました。まだまだ1Passwordには勝てませんが。
アプリがiOSバージョンに対応していないとき
iOSのバージョンが古く、普段使っているアプリが使えなくなったときです。
主にアプリを起動したタイミングで「iOSをアップデートしてください!」と促すことが多いので、一目瞭然でしょう。
iOSの機能で不具合が生じたとき
主に、iPhoneの[設定]から確認できる機能ですが、今回は「ファミリー共有」に関する不具合を例として説明します。
- スクリーンタイムの制限が有効にならない
- 承認リクエストの通知がこない
- 「探す」アプリで位置情報が見れない
などなど。家族でiPhoneを利用しているとよくある「iOSのバージョン違いで発生する問題」ですが、iOSアップデートすると解決するケースが多くあります。
iPhoneのiOSをアップデートするなら、事前にバックアップを
さて、晴れてiOSをアップデートすると決めたら、事前にバックアップをします。
以下、Appleが推奨するバックアップの方法です。
iPhone、iPad、iPod touch をバックアップしておけば、万一デバイスを交換、紛失、損傷したときも大切な情報のコピーがあるので安心です。
引用元:iPhone、iPad、iPod touch をバックアップする方法
- iCloudでバックアップする
- Macでバックアップする
- Windowsパソコンでバックアップする
この中で、「iCloudでバックアップする」は現実的ではありません。
なぜなら、iCloudバックアップからAppleの有料サービスに促すからです。
バックアップを完了するには iCloud ストレージの容量が足りないという警告が表示された場合は、画面の案内に従ってストレージプランをアップグレード (有料) してください。
引用元:iCloud で iPhone や iPad をバックアップする方法
その他、iCloudバックアップは大量のインターネット通信を伴うため、Wi-Fi接続が必須レベルです。
ですが、上述したiOS 16.1.2の「Wi-Fiが不安定、すぐ切れる」不具合に見舞われたら、インターネット通信ができないためバックアップから復元ができません。
つまり、「不具合に備えてiOSをバックアップするなら、必ずPCが必要」と断言できます。
まとめ
iPhoneのiOSはアップデートした方がいいの?結論です。
アップデートした方がいい方
- 追加されたiOSの機能を使いたい
- アップデートしないことで支障をきたしている
➡ iOSアップデート前のバックアップ推奨!
アップデートせず様子を見た方がいい方
- いま使っている状態で困っていない
- iOSアップデート起因での不具合が心配
➡ 新しいiOSリリースで発覚したセキュリティ不具合の対策を!
何よりも、「やりたいことをできる」状態であることを優先しましょう。