Wi-Fi機器で「ステルス」と呼ばれるネットワーク上でWi-Fi名を表示しない設定にしている場合、iPhoneのWi-Fi設定に「非公開ネットワーク」と表示され、注意喚起されます。
この「非公開ネットワーク」ですが、
- なにが危険なのか?
- Apple社が指摘するポイントは?
デジタル苦手な方向けに、情報セキュリティを有するIT管理プロがわかりやすく解説していきます。
iPhoneが「非公開ネットワーク」セキュリティ勧告が示すこと
iPhoneが道すがら見つけたWi-Fiに対して、
「あなた、ウチの○○っていうWI-Fiですか?」
「ウチのWi-Fiなら、繋ぎたいんですけど」
ずっと問い合わせているからです。
電波の流れとしては、以下の通りですね。
Wi-Fi電波の流れ
▼ Wi-Fi「公開」している場合
「Wi-Fi ー>->-> iPhone」
※Wi-Fiから電波を送信し、iPhoneが受信する仕組み。
▼ Wi-Fi「非公開」の場合
「Wi-Fi <-<-<- iPhone」
※iPhoneが非公開Wi-Fiを探しに行く仕組み。
Wi-Fi「非公開」について、もう少し具体的に説明すると、例えば、「どうなのWi-Fi」というWi-Fiがあったとします。
iPhoneは外出先であろうと、
「おーい!どうなのWi-Fi!どこ?!」
人目をはばからず声を出して探す。
これが「非公開ネットワーク」の特徴です。
そのため、世間様からしてみれば「どうなのWi-Fi」の存在って、もろバレですよね。
例え場所が「東京、大阪、アメリカ、ヨーロッパ、北極どこであろうと」です。
あまり意味のないどころか、
iPhoneが、あらゆるシステムにWi-Fi名を問い合わせているけど、いいんですか?
これがApple社が勧告する理由です。が、下記の説明ではわかりませんよね?
ネットワーク名を非表示にしたからと言って、そのネットワークが検知されなくなったり、不正アクセスから保護されたりするわけではありません。
引用元:Appleサポート
次に、なぜ巷ではWi-Fi名を非公開にしたがるのか?説明していきます。
Wi-Fiを「非公開」にしたい理由2点
「Wi-Fi名の非公開」がセオリーと思われる2つの理由です。
- Wi-Fiタダ乗りを防ぐため
- Wi-Fiへの攻撃を防ぐため
以下順に説明していきます。
Wi-Fiタダ乗りを防ぐため
第三者による、無断でWi-Fiを使われるのを防ぐためです。
例えば「どうなのWi-Fi」がiPhoneのWi-Fi設定に表示されたとします。
それを見た隣に住んでいる人が、「もしかしたら使えるかも…」など考え、アクセスを試みるかもしれませんね。
下図、iPhoneの「設定>Wi-Fi」見せられないよ君が隠しているWi-Fi名の範囲、ここに表示させないのが目的です。
因みにWi-Fiタダ乗りの被害は、「わりとよくある事案」なのかもしれません。
Wi-Fiタダ乗りする方もリスクありますよ。
例えばパスワードなど、入力や通信の情報引っこ抜かれますので、絶対にやめておきましょうね。
Wi-Fiへの攻撃を防ぐため
Wi-Fi名を公開したくない本当の理由は、Wi-Fi一覧で視認できる、つまりは外部から攻撃されるリスクが高いからでしょう。
最たる例としては、「Wi-Fiの乗っ取り」「DDoS攻撃」です。
DDoS攻撃とは…Wi-Fiへ処理が追いつかなくなるほど大量の情報を送りつけて、使えなくさせるサイバー攻撃の一種。
攻撃されるにしても、なにより「Wi-Fiが乗っ取られない」対策こそが最重要です。
Wi-Fi「公開」に伴うセキュリティ対策は?
ここまでお読みいただき、なんとなくWi-Fiの仕組みをご理解いただけたかと思います。
そうすると次に知りたいことは、
Wi-Fi公開したうえで、
近隣から攻撃されない、
具体的な対策を知りたい。
ですよね。
ズバり、以下Wi-Fi機器で次の対策することが必要です。
- Wi-Fi暗号化を強化する
- 新しいWi-Fi接続を知らせる機能
- Wi-Fiアクセスの制限
以下順に説明していきます。
1. Wi-Fi通信の暗号化を強化する
Wi-Fi乗っ取り対策からして、まずWi-Fiにタダ乗りされない対策が前提です。
そのため、Apple社も推奨している「WPA3」を設定できるWi-Fiが理想です。
なぜなら WPA3 には、「不正ログインの繰り返しを防ぐ」機能が備わっているからですね。
お使いのWi-Fi機器でWPA3が設定できない場合、最低でも「WPA2-PSK(AES)以上の暗号化レベル」は設定しておきたいですね。
この「AES」というWi-Fiセキュリティは2004年くらいから普及していますが、いまお使いのWi-Fi機器の設定で「AES」という文字を見かけないようでしたら、買い替え時期だと思ってください。
2. Wi-Fi接続を知らせてくれる
新しいデバイスがWi-Fiに接続したら、メールや専用アプリなどに通知してくれる機能です。
Wi-Fiタダ乗り「事後に検知」される仕組みですが、乗っ取られている実態を把握できないよりはマシです。
3. Wi-Fi機器へのアクセス制限
iPhoneなど、お使いのデバイスの識別番号「MACアドレス」を使いアクセス制限する方法です。
ただし、Wi-Fiアクセス制限は常にチェックしている状態となるため、Wi-Fiの負荷が高くなる傾向です。
アクセス制限は、タダ乗り・攻撃されている兆候がなければ設定しない方がよいでしょう。
おすすめWi-Fi
- 暗号化「WPA3」を設定できる
- 新しいWi-Fi接続の通知機能を搭載
- Wi-Fi接続の許可・拒否もかんたんに設定
3つの要件を満たすW-Fi機器
まずはWi-Fi利用状況の見える化を
Wi-Fi「非公開」の設定が、セキュリティ的に意味がないと言われる理由、それは iPhoneがWi-Fi名を拡散している状態 だからです。
しかし、近隣でWi-Fiリスクに直面している場合は「非公開」効果的(かもしれない)事実もあります。
まずは「Wi-Fiの見える化」し、Wi-Fiタダ乗りされてないか?利用実態チェックされては如何でしょうか。
iPhoneのWi-Fi「プライバシーに関する警告」対処法わかりやすく解説
続きを見る