iPhone セキュリティ

Wi-Fi「非公開ネットワーク」とは?危険性とセキュリティ勧告の意味を解説

2021年12月31日

Wi-Fi機器で「ステルス」と呼ばれるネットワーク上でWi-Fi名を表示しない設定にしている場合、iPhoneのWi-Fi設定に「非公開ネットワーク」と表示され、注意喚起されます。

この「非公開ネットワーク」ですが、

  • なにが危険なのか?
  • Apple社が指摘するポイントは?

デジタル苦手な方向けに、情報セキュリティを有するIT管理プロがわかりやすく解説していきます。

iPhoneが「非公開ネットワーク」セキュリティ勧告が示すこと

iPhoneが道すがら見つけたWi-Fiに対して、

「あなた、ウチの○○っていうWI-Fiですか?」

「ウチのWi-Fiなら、繋ぎたいんですけど」

ずっと問い合わせているからです。

電波の流れとしては、以下の通りですね。

Wi-Fi電波の流れ

▼ Wi-Fi「公開」している場合

「Wi-Fi ー>->-> iPhone」

※Wi-Fiから電波を送信し、iPhoneが受信する仕組み。

▼ Wi-Fi「非公開」の場合

「Wi-Fi <-<-<- iPhone」

※iPhoneが非公開Wi-Fiを探しに行く仕組み。

Wi-Fi「非公開」について、もう少し具体的に説明すると、例えば、「どうなのWi-Fi」というWi-Fiがあったとします。

iPhoneは外出先であろうと、

「おーい!どうなのWi-Fi!どこ?!」

人目をはばからず声を出して探す

これが「非公開ネットワーク」の特徴です。

そのため、世間様からしてみれば「どうなのWi-Fi」の存在って、もろバレですよね。

例え場所が「東京、大阪、アメリカ、ヨーロッパ、北極どこであろうと」です。

あまり意味のないどころか、

iPhoneがあらゆるシステムにWi-Fi名を問い合わせているけど、いいんですか?

これがApple社が勧告する理由です。が、下記の説明ではわかりませんよね?

ネットワーク名を非表示にしたからと言って、そのネットワークが検知されなくなったり、不正アクセスから保護されたりするわけではありません。

引用元:Appleサポート

次に、なぜ巷ではWi-Fi名を非公開にしたがるのか?説明していきます。

Wi-Fiを「非公開」にしたい理由2点

「Wi-Fi名の非公開」がセオリーと思われる2つの理由です。

  • Wi-Fiタダ乗りを防ぐため
  • Wi-Fiへの攻撃を防ぐため

以下順に説明していきます。

Wi-Fiタダ乗りを防ぐため

第三者による、無断でWi-Fiを使われるのを防ぐためです。

例えば「どうなのWi-Fi」がiPhoneのWi-Fi設定に表示されたとします。

それを見た隣に住んでいる人が、「もしかしたら使えるかも…」など考え、アクセスを試みるかもしれませんね。

下図、iPhoneの「設定>Wi-Fi」見せられないよ君が隠しているWi-Fi名の範囲、ここに表示させないのが目的です。

因みにWi-Fiタダ乗りの被害は、「わりとよくある事案」なのかもしれません。

Wi-Fiタダ乗りする方もリスクありますよ。

例えばパスワードなど、入力や通信の情報引っこ抜かれますので、絶対にやめておきましょうね。

Wi-Fiへの攻撃を防ぐため

Wi-Fi名を公開したくない本当の理由は、Wi-Fi一覧で視認できる、つまりは外部から攻撃されるリスクが高いからでしょう。

最たる例としては、「Wi-Fiの乗っ取り」「DDoS攻撃」です。

DDoS攻撃とは…Wi-Fiへ処理が追いつかなくなるほど大量の情報を送りつけて、使えなくさせるサイバー攻撃の一種。

攻撃されるにしても、なにより「Wi-Fiが乗っ取られない」対策こそが最重要です。

Wi-Fi「公開」に伴うセキュリティ対策は?

ここまでお読みいただき、なんとなくWi-Fiの仕組みをご理解いただけたかと思います。

そうすると次に知りたいことは、

Wi-Fi公開したうえで、

近隣から攻撃されない、

具体的な対策を知りたい。

ですよね。

ズバり、以下Wi-Fi機器で次の対策することが必要です。

  • Wi-Fi暗号化を強化する
  • 新しいWi-Fi接続を知らせる機能
  • Wi-Fiアクセスの制限

以下順に説明していきます。

1. Wi-Fi通信の暗号化を強化する

Wi-Fi乗っ取り対策からして、まずWi-Fiにタダ乗りされない対策が前提です。

そのため、Apple社も推奨している「WPA3」を設定できるWi-Fiが理想です。

なぜなら WPA3 には、「不正ログインの繰り返しを防ぐ」機能が備わっているからですね。

お使いのWi-Fi機器でWPA3が設定できない場合、最低でも「WPA2-PSK(AES)以上の暗号化レベル」は設定しておきたいですね。

この「AES」というWi-Fiセキュリティは2004年くらいから普及していますが、いまお使いのWi-Fi機器の設定で「AES」という文字を見かけないようでしたら、買い替え時期だと思ってください。

2. Wi-Fi接続を知らせてくれる

新しいデバイスがWi-Fiに接続したら、メールや専用アプリなどに通知してくれる機能です。

Wi-Fiタダ乗り「事後に検知」される仕組みですが、乗っ取られている実態を把握できないよりはマシです。

3. Wi-Fi機器へのアクセス制限

iPhoneなど、お使いのデバイスの識別番号「MACアドレス」を使いアクセス制限する方法です。

ただし、Wi-Fiアクセス制限は常にチェックしている状態となるため、Wi-Fiの負荷が高くなる傾向です。

アクセス制限は、タダ乗り・攻撃されている兆候がなければ設定しない方がよいでしょう。

おすすめWi-Fi

  • 暗号化「WPA3」を設定できる
  • 新しいWi-Fi接続の通知機能を搭載
  • Wi-Fi接続の許可・拒否もかんたんに設定

3つの要件を満たすW-Fi機器

まずはWi-Fi利用状況の見える化を

Wi-Fi「非公開」の設定が、セキュリティ的に意味がないと言われる理由、それは iPhoneがWi-Fi名を拡散している状態 だからです。

しかし、近隣でWi-Fiリスクに直面している場合は「非公開」効果的(かもしれない)事実もあります。

まずは「Wi-Fiの見える化」し、Wi-Fiタダ乗りされてないか?利用実態チェックされては如何でしょうか。

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